Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

「……嘘?」

「ああ、そうだ。おまえがなかなか関係を進められないから、煽ってやったんだよ」

「…なんで、そんな…」

呟いて、ワインに口をつける。

「彼女との関係ぐらい、とっとと進めろ。おまえを見ていると、まどろっこしい」

「…でも、僕は、彼女を大切に思っていて……」

「……大切だから、抱けないのか?」

「ふん…」と、また鼻で笑って、

「……そんなのは、ただの大義名分だ。好きな女ぐらい、すぐに落としてみろ」

口にする。

「……それは、兄さんの考え方で、僕は……」

言いかけるのに、

「おまえは、僕とは違うというのか?」

聞かれて、

「そういうわけじゃないですが……」

と、言葉を飲み込む。



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