Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

「そうだ…おまえに少し伝授してやろうか?」

「……伝授して?」

と、首を傾げる。

「……ちょっと、僕に顔を近づけてみろよ」

と、テーブルの向かいから言われて、

言われるままに、顔を寄せるとーー、


いきなりシャツの襟をぐいと引かれて、軽く口づけられた。

「…うんっ、何…!」

驚いて、兄の顔を見やる。


「キスぐらい、こんな風に速攻でしろよと教えてやったんだ」

そう口の端で微笑って、

「…今度、バーの方へ彼女を連れて来い。僕が、奥手なおまえに恋の手ほどきをつけてやるから」

言うのに、

「……いいですから、そんなのは」

と、首を振る。

「僕の言うことを聞け。いいか? 今度の日曜日だ。必ず、彼女を連れて来い。わかったな?」

と、有無を言わさぬ口調で告げられた……。




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