不埒な男が仕掛ける甘い罠
翌朝早く、ベッドで気持ちよく寝ている拓真をそのままにして、私は彼のマンションを出た。
絵里さんの忘れ物のピアスを小さなビニールケースに入れ、開封されたスキンケアセットと一緒に紙袋に入れてテーブルの上に…
そして、置き手紙一枚も一緒に置いてきた。
『気持ちよさそうに寝ていたので、起こさずに私は仕事に行ってきます。絵里さんの忘れ物、紙袋にまとめておいたから返しておいてください。 唯』
他人行儀な言葉を並べても、きっと拓真は何も思わないだろう…
それでも、そう書くしかできなかった。
気持ちよく寝ていた拓真は知らない。
あの後、あの部屋で私がどんな気持ちで寝ることもできずにいたかなんて…
ベッドで拓真と絵里さんがSEXをしたと確信してしまった以上同じベッドで寝ることもできず、ソファに移動してもイヤな想像が頭の中をチラつき、このソファでもと想像して座ることもできなかった。
時間が経てば経つほど、いろいろな疑問が私を苦しめる。
部屋の綺麗さからして昨日、今日の関係じゃない。
いつから?
会える日が減ってきたのは、拓真が大きなミスをしてかなり凹んでた夏後から、絵里さんの名前が頻繁に出てくるようになった気がする。