不埒な男が仕掛ける甘い罠

新ちゃんを見ると、美鈴さんと真剣な顔でお話中。

どうしよう…と、2人を見ていたら私の視線に気がついた2人が手招きして呼ぶ。

「今、新と意見が割れて困ってたんだけど、唯ちゃんの意見を聞かせてくれるかしら?」

「はい、私でよければ…」

「ありがとう…Aliceのケーキをメニューに載せて出すって話は知ってるわよね」

コクンと頷く私。

「それでね、私としてはこのお店用に、一口台のタルトやカップケーキ、クッキーにマカロンや生チョコが沢山乗ったプレートをメニューに加えたらって言ってるのに、新たら効率が悪いって譲らないのよ。女の子なら嬉しいわよね」

「だから、客は女だけじゃないだろう」

頭をかき、機嫌の悪い声で抗議する新ちゃんが、視線でなんとかしてくれと訴えてきた。

考えて…

「Aliceと別に作っていたら効率が悪いですね。それに、そんなに沢山の種類をプレートに乗せて出すと金額が高くて誰も頼みませんよ。でも、一口台のプレート盛りは読書をしながらゆっくりとティータイムを過ごしたい人にはいいかもしれないです。欲張らないで、数を絞れば美鈴さんも楽じゃないですか?金額も抑えられるし、季節事に変えてドリンクとセットメニューにするのもいいかも…」
< 102 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop