不埒な男が仕掛ける甘い罠

2人の表情を伺うように見つめた。

美鈴さんは、目をキラキラさせて微笑んでいる。

新ちゃんは関心したように頷き、微笑んでいた。

「唯ちゃん、いいわ…さすが私の娘」

イヤイヤ、あなたの娘になった覚えはないですが、娘みたいなものかと苦笑いする。

「いつ、唯を生んだんだ?」

新ちゃんのごく当たり前の質問に

「もう、娘みたいなものじゃない。新と結婚したら籍は同じになるんだし、いいじゃないの。ご近所さんに唯ちゃんの事、お嫁さんって紹介してたし…」

拗ねてしまう美鈴さん。

かわいい…

いや、その前にとんでもない事を聞きましたけど…

新ちゃんを見れば呆れ顔。

「何、フライングしてるんだよ」

「えっ、新たら、まだ唯ちゃんをモノにしてないの?」

驚きまくりの美鈴さんが、確かめるように私を見てくるから頷いた。

「もう、何してるのよ。ここ数日のラブラブっぷりを見ないふりしていてあげたのに…凛ちゃんとも、結婚式いつにするって相談してたのよ」

ママとそんな話をしていた事に驚き

美鈴さんの見ないふりに頬が熱くなり…

付き合ってもいないのに、話が飛びすぎてめまいがしてくる。
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