不埒な男が仕掛ける甘い罠
「そうだな…一緒に晩飯食べながら考えるぞ」
「美鈴さん、おやすみなさい…ちょっと…待って…」
私の鞄を奪い、裏口へ出て行こうとするので慌てて美鈴さんに挨拶をしたら、ニコニコ笑い、顔の横で手を振る姿に少しだけ恨みがましく思いながら新ちゃんの後を追いかけた。
車のハザードライトが点滅
追いついた時には、私の鞄は車の中に放り込まれていた。
「鞄、返して…私の都合もあるんだから、今日は送ってもらわなくていいよ」
開けていた助手席のドアを勢いよく閉める新ちゃんに驚き、ビクンと体が揺れる。
「俺との仕事の話以外に、大切な予定があるのか?」
追いついた私の手を引っ張り、ぐらついた体を車に押しつけられて車と新ちゃんの間に挟まれてしまう。
囲う手が隙間もなく近い距離で、私の頬を指先がゆっくりと滑り落ちていき唇に触れた時、ゾクッと身震いが起こる。
どんな予定だ?
言ってみろよ…と、目と顎で指図する男の眼光になのか?それとも…男の只ならぬ色気のせいなのか?
兎に角…、ここ数日の新ちゃんの不埒な誘惑にも耐えていたけど、そろそろ限界にきている。
新ちゃんに抱きついて
好き
と叫びたい衝動に駆られる。