不埒な男が仕掛ける甘い罠
唯を隣に乗せ俺は車を走らせた。
隣で、何か言いたげな表情で俺を見ているのはわかっていたが、気がつかないふりをして俺の住むマンションまで連れてきた。
彼女の頬に手を添え
「全部、俺のせいにすればいい」
と、俺に抱かれる言い訳を唯の前にチラつかせる。
「まだ、別れていない」と、抵抗をしてみせるが言葉と行動が伴っていない唯は、俺の肩に手を乗せ距離を縮めると、色っぽく俺を見つめてきて女の顔をしていた。
無自覚に俺を煽る唯は予定外で、体中がゾクゾク疼く。
まったく、唯は自分の立場がわかっていないのか、俺が悪者になる意味がわかっていない。
お前は、自分の意思に反して俺に抱かれなきゃいけないのに…俺を誘惑してどうするんだ。
「唯‥今ならまだこのまま帰してやれる…どうする?」
さぁ、拒んでみせろ…
そうして、無理やり抱く俺のせいにして、あいつと別れる理由にしてしまえばいい。
「俺のせいにすればいいって言ったのに…」
それが、お前の答えなんだな⁈
…俺が用意した言い訳を上手く利用して、何かを決意したように見つめてくる。
もう、後戻りなんてさせない…
唯の腕を掴み、高ぶる気持ちを抑えて部屋の中に連れ込んだ。