不埒な男が仕掛ける甘い罠
「じゃあ、どんな触り方ならいいの?」
こんな時の新ちゃんはとても意地悪だということをここ数日で思い知らされていたのに、まんまと誘導に引っかかったてしまったらしい。
新ちゃんに触られて甘く体が疼くからなんて言えなくて、このまま口を閉ざす術しか思いつかない。
「唯、答えられないの?労ってあげようとしていたのにリラックスできないなんて言われて…悲しいよ」
卑怯な言葉で私の反応を伺う男の目は、悲しいよと言いながらも何かを目論んで楽しんでいるように見えた。
「…その手つきがいやらしいんだもん」
精一杯の答えに、新ちゃんの目が輝いた。
なんだか間違えたようだと思った時には遅くて
「唯はそんなふうに感じてたんだ。俺はただ、疲れた体を解してほしくて撫でていただけなんだけどな…」
そんな触り方じゃないよね⁈と睨みつけたのに、ニヤっと意地悪く笑い、上唇をペロッと舐めた新ちゃん。
「そんなに睨まない。唯の体を解せるまでサービスするからね」
意味深な言葉と笑みに、妖し気な危機感を感じ膝の上から降りようと試みたが、抱きしめられた腕の中から逃れないまま、体の芯が蕩けるような甘い甘いキスに体の力が抜けていった。