不埒な男が仕掛ける甘い罠

つい先ほどまで危機感を感じ逃げ出そうとしたのに、一度触れてしまえば離れられなくて、唇を食まれ、舌が唇を舐める度にジンジンと疼いて腫れていっている気がする。

それでもこのキスはやめてほしくなくて、力の入らない手で新ちゃんの首にしがみつき、もっと、もっととねだるように吐息を漏らしてしまう。

そんな私の後頭部を撫でていたた手が1つにまとめた髪を解き、頬に落ちた髪を耳にかけ首筋に滑り落ちていく指先に肌が粟立ち顎を仰け反らせた。

唇が離れた切なさに目の前の男を見つめれば、満足気に笑みを浮かべ、私の濡れた唇をなぞった指がシャツのボタンを1つ、2つと外していく様を抵抗もせずに、ただ見ているだけ…

肌蹴た胸元を一瞬だけ凝視した新ちゃんの唇が、肌にチュッチュッと立てる音に頬が熱くなり、恥ずかしさに目を閉じていく。

次第にキスが胸元から首筋へと上がった時、突然、痛みが走り目を見開き耐えられない痛みに逃れようと男の胸を押すが、背を強く抱きしめられていては逃げられない。ならと胸を叩いてみるが、その手を拘束し痛む肌を舐めた男はそのまま自分の上唇をペロッと舐める仕草をみせた。

「明日からこの痕は、隠したらダメだからね」
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