不埒な男が仕掛ける甘い罠
なんて卑怯な男だ…
こんな奴が唯を幸せにできるはずがない。
「絵里さんは、そんな関係でいいの?都合よく利用されてるんだよ」
「うん、わかってるんだけどね…それでもいいって思ってしまって。タイプだから色々とアピールしてたら向こうも満更でもない感じだったからさ…気持ちも加速して行くじゃん。そんな時に、彼が仕事で大きなミスをして落ち込んでいたから、先輩として励まそうとして飲みに誘ったのがここのお店だったんだよね。あわよくばって下心がなかった訳じゃないけど、とにかく彼の気分転換になればって誘ったのが始まり。見かけチャラいんだけど、実はナイーブで甘えん坊ってところに母性本能をくすぐられて、いいなぁから気がついたら好きになっていて、彼がミスする度に、ついね…関係を持ってしまう。ほら、よく言うじゃない⁈馬鹿な子ほどかわいいって」
彼女は、ダメ男に弱いのかと苦笑する。
計算高そうな第一印象から、残念な人に変わった。
そして、唯の彼氏の拓真は最悪な男に…
絵里さんとの関係を隠し、今頃、唯と仲良くしているのかと思うと許せない気持ちがヒートアップしていく。
唯が気がつかないのをいい事に何度も裏切る男には、痛い目を見てもらわなければ気が済まない。