不埒な男が仕掛ける甘い罠
さて、どうしてやろう⁈
脳裏に浮かぶ悪だくみ…
「今頃、絵里さんの好きな人は彼女と仲良くディナーでもしているのかな?それとも、この時間だと別の意味で仲良くしているのかもしれないね。絵里さんはひとりぼっちで…」
彼氏と仲良くしている唯を想像したくないのは、俺も同じ。
だが、絵里さんには2人の仲を引き裂く駒になってもらわなければならない。
ギロッと俺を睨む絵里さん。
それ以上言わせない気迫に、彼女の気の強さが見えた。
その後、口数が少なくなりテーブルの上に置いたスマホの画面ばかり気にしだす。
だから…彼女の背を押してやる。
「そんなに気になるなら、連絡してみたら?」
「別に…そんなんじゃないわよ。ただ、ちょっとね…」
そう言い、鞄にスマホをしまったが、5分もしないうちにまた、スマホを取り出し画面を見つめていた。
「メールなら、気がついたら見るんじゃない?」
「でも…」
しばらく悩むいじらしい様子の後、メールを送っていた。
なんて送ったのかわからないが、すぐにスマホが振動する。
音を消して、こういう場に来る彼女のマナーの良さに好感が湧く。
彼女にも幸せになってほしい…