不埒な男が仕掛ける甘い罠

さて、どうしてやろう⁈

脳裏に浮かぶ悪だくみ…

「今頃、絵里さんの好きな人は彼女と仲良くディナーでもしているのかな?それとも、この時間だと別の意味で仲良くしているのかもしれないね。絵里さんはひとりぼっちで…」

彼氏と仲良くしている唯を想像したくないのは、俺も同じ。

だが、絵里さんには2人の仲を引き裂く駒になってもらわなければならない。

ギロッと俺を睨む絵里さん。

それ以上言わせない気迫に、彼女の気の強さが見えた。

その後、口数が少なくなりテーブルの上に置いたスマホの画面ばかり気にしだす。

だから…彼女の背を押してやる。

「そんなに気になるなら、連絡してみたら?」

「別に…そんなんじゃないわよ。ただ、ちょっとね…」

そう言い、鞄にスマホをしまったが、5分もしないうちにまた、スマホを取り出し画面を見つめていた。

「メールなら、気がついたら見るんじゃない?」

「でも…」

しばらく悩むいじらしい様子の後、メールを送っていた。

なんて送ったのかわからないが、すぐにスマホが振動する。

音を消して、こういう場に来る彼女のマナーの良さに好感が湧く。

彼女にも幸せになってほしい…
< 143 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop