不埒な男が仕掛ける甘い罠
何も考える暇を与えずに、目の前に慧から送ってもらった写真を見せた。
顔色が変わっていく絵里さん。
「知らないとはいえ、マスターの前で…ごめんなさい」
「そんな事は気にしなくていいよ。お客さんの愚痴なんかを聞くのも俺の仕事だからね。でも、知ってしまった以上、放っておけない」
「幼馴染さんは、大切だよね」
シュンとしだす彼女
「絵里さんも大切だよ」
ポロポロと涙を流し出した。
「幼馴染は俺が昔から好きだった女の子だった。でも、会わない間に彼氏ができていて後悔した。それと同時に幸せなら見守ろうと思っていたのに、絵里さんと割り切った関係だと知って、許せなかったよ。だからね、俺は奴から彼女を取り返して俺が幸せにするって決めたんだ。その為に、いろいろ計画を立てだしたんだけど協力してくれない?唯と奴を別れさせることに成功すれば、絵里さんも幸せになれるかもしれないよ」
「彼の彼女、唯さんって言ってたわ。嘘じゃないんだね」
「嘘はつかないって言ったのに、信用ないな…」
「ごめんね…でも、唯さんは拓真君を好きなんだよ。そんな簡単にいかないと思わない?」
「まぁね…浮気相手がいるって言っても信じないだろうね」