不埒な男が仕掛ける甘い罠
引越し作業が終わると、4人で引越しそばならぬ、引越し焼き肉に向かった。
お腹の空かせた男達の食欲は私の想像以上で、見ているだけでお腹がいっぱいになると、アルコールも手伝ってか、眠くなった私は新ちゃんに寄りかかりうとうとしだした。
そんな私を愛しそうに見ている新ちゃんに気がつかないまま、睡魔に負けていく。
気がついた時には新ちゃんの新居のベッドの中で、着ていた服がルームウェアに変わっていて外は真っ暗になっていた。
記憶はないが、新ちゃんがここまで運んでくれて、着替えまでしてくれたのだろう。
隣で眠っている新ちゃんの頭を撫でながら小さな声でお礼の言葉を言うと、新ちゃんは私を引き寄せ抱きしめてくる。
「毎日、唯を抱きしめて寝たいよ」
甘い言葉に、照れ笑い。
「私も…新ちゃんの腕の中で眠りたい。だけど、帰らなくっちゃ」
「家には、唯が俺のところに泊まるって連絡してあるから、このまま朝まで一緒だ」
おでこにチュッとキスしてきて、新ちゃんは目を閉じていく。
パパのご機嫌の悪さを想像すると身ぶるいして、私がきていた服がどこにあるのかわからないから、目を閉じ新ちゃんの腕の中で深い眠りにはいっていった。