不埒な男が仕掛ける甘い罠

ビールを飲みながら、質問タイムに突入する。

まず、カウンターの中にいた男性はまさふみさんといい、新ちゃんのバイト時代の仲間で、このお店を任せている店長さん。

ホールにいた男性ゆうや君は私と同じ歳らしく、いずれは自分のお店を持ちたいらしく、今はいろいろ勉強中らしい。

「いつから、このお店のオーナーになったの?てか、おじさんのお店を継ぐんじゃないの?」

一口、ビールを喉に流し込んだ新ちゃん。

「一年ぐらい前にある人から譲り受けたんだ。最初は、俺も店に出てたんだけど、そこそこ売り上げあるし俺がいなくてもまさふみに任せておけば大丈夫だし、時たま、こうして顔を出してるし毎日の日報はメールで来るしで、俺がいなくてもやっていけるんだ。今、俺は自分のしなきゃいけない事ができた。だから、それが解決してから親父に認めてもらうつもり。あの歳で引退したらかわいそうだろう⁈起動に乗ったら俺のカフェと親父の店を交換すればいいんじゃないかってお袋と話してたんだ。まぁ、この話は親父には内緒な‥年寄り扱いすると怒るから」

唇の上で人差し指を立て内緒とウインクしている新ちゃん。

確かに、おじさんのお店はお昼から夜遅くまで営業していて大変そうだもんね。
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