不埒な男が仕掛ける甘い罠

それ以上のことは教えてくれなかった新ちゃん。

私の中で⁇マークしか出てこなかった。

その後は会えなかった間を埋めるように、お互いのことを話して過ごす。

新ちゃんは、ある喫茶店のマスターの入れるコーヒーに惚れ、自分の目指すものが見つかったこと。

いろいろなカフェで働きバリスタの勉強をしていたこと。

そのうち経営にも目覚め、自分のお店を持ちたいと思ったこと。

そして、運良く知り合いがこの店を譲ってくれて今に至ることを話してくれた。

私は、

美鈴さんがAliceをオープンすると聞き、バイトで入ってそのまま就職したこと。

拓真という彼氏ができたこと。

だけど、最近はなかなか会えてないないこと。

そして…お酒も進みモヤモヤしていたことを新ちゃんに相談している始末。

「新ちゃんは、どう思う?」

「唯の彼氏だから悪く言いたくないけど、無神経だな。置いてあるものが気にならないほど、頻繁に出入りしてると思うぞ。その女、完璧に確信犯だろ…俺が唯の彼氏なら女なんて部屋に入れないし、唯を1番に考えて行動する。悲しませる存在は近寄らせないのにな」

さっきよりも…色っぽく笑みを浮かべた。
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