不埒な男が仕掛ける甘い罠
朝食が遅かった私に合わせてコンビニで軽くお昼を済ませて、新ちゃんに連れられてきた大手のインテリアショップを見て回る。
「気に入ったのあった?」
「うん…多分、唯と同じ…シンプルでモダンな家具ばかり気になってた」
私もモダンな家具がいいと思っていたから、嬉しくて微笑んでいた。
ここで、任せるよと言われていたらきっと、帰っていただろう。
拓真は人任せで、あの部屋の家具のほとんどは私が選んだ物だったから、拓真には愛着はないらしい。
『唯も使うんだし、任せるよ』と言われたあの時の私は、拓真の無神経な言葉にげんなりしながら選んでいたなと思い出し、だから、あんなことができたんだと悲しくなった。
そんな私に気がついた新ちゃんが睨んでくる。
「また、俺以外の事考えてたな⁈」
人の目があるから不埒な事はしてこないだろうと思っていたのに…
「ベッドは唯が選べんだ物にするから」
?マークが頭の中を飛び回る。
「唯が俺の腕から逃げても落ちない広さが基準だからね」
一瞬、意味がわからなかった。
少し間をおいて、色っぽい意味で言われたのではないかと新ちゃんの顔を覗いた。
正解だったみたいで…