追いかけるカゲ


校門は閉まっており静かな学校
それとは逆に脈打つ自分の鼓動に変な汗が伝う


シナリオはできている。
自分を偽る仮面を被り先へ向かう。



戒「失礼します。野々宮 戒です。」




先生「野々宮くん、どうしたのこんな時間に
遅刻だなんて」




戒「その事なんですが。本当突然ですが、
父親がまた転勤が決まりました。
今週末には引っ越す予定です。
準備が色々とありますので今日限りで
学校には来ません。」




淡々と言葉を並べつつリアリティを出すための仮面を被りながら話す。
案の定、この女教師は驚きを隠せておらず同情の様な表情が見てとれる。



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