小さな村の大きな話


沈黙のまま錦を待っていた。
……妙に緊張する…。



「悪いようにはしない……と思いますから肩の力を抜いて下さい」


「は、はい……」



悪いようにはしない、って言い回しがすでに恐怖なんだけどなー…。


ガラッ



「悪い、待たせた」



錦はそのまま持ってきた袋からレントゲンを出して貼っていった。



「これ、樹のだ。
あと、これは血液検査とエコーの結果とかもろもろ」


「…これ……嘘だろ……」


「この村でこれは結構高いレベルの機密事項だ」


「機密事項??」



ガラッ



「遅くなってごめんなさい。
ここから先は、私が説明させて頂きますわ」


「えっと…」


「初めまして。咲座家次期当主、咲座黎華とと申します」



…咲座……。
この子、りんちゃんを…いじめてた子だ……。
< 100 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop