小さな村の大きな話
沈黙のまま錦を待っていた。
……妙に緊張する…。
「悪いようにはしない……と思いますから肩の力を抜いて下さい」
「は、はい……」
悪いようにはしない、って言い回しがすでに恐怖なんだけどなー…。
ガラッ
「悪い、待たせた」
錦はそのまま持ってきた袋からレントゲンを出して貼っていった。
「これ、樹のだ。
あと、これは血液検査とエコーの結果とかもろもろ」
「…これ……嘘だろ……」
「この村でこれは結構高いレベルの機密事項だ」
「機密事項??」
ガラッ
「遅くなってごめんなさい。
ここから先は、私が説明させて頂きますわ」
「えっと…」
「初めまして。咲座家次期当主、咲座黎華とと申します」
…咲座……。
この子、りんちゃんを…いじめてた子だ……。