小さな村の大きな話
【りんside】
あれから、一晩がたった。
大和くんはあの後一度も病室に来なかった。
げんめつ、したかな??
そりゃそうか……あんな矛盾だらけの女、きっと嫌だよね。
「入って、いいかな??」
……大和くん………。
「りんちゃん、樹ちゃんが話がしたいって言ってるんだけど」
「……今は、話したくない」
「知って欲しいことがあるんだって、今まで黙っていた事全部話したいって」
「………」
ここまで来て、こんな時に樹ちゃんの話……。
これは…嫉妬、なのかな??
「……拗ねてないで話を聞いてあげて欲しい」
「拗ねてなんかっ!!」
「お願いだから!!聞いてあげて…!!
万が一があって後悔してほしくないんだ!!」
大和くんが、こんなに必死なの…初めてかも…。
「わかった。はいっていいよ、樹ちゃん」
「………」
入ってきた樹ちゃんは車椅子に乗って点滴を下げていた。
「壱、少し外出てて…。何かあったらちゃんと呼ぶから」
「…わかった」