小さな村の大きな話

―ってことがあった」

「…馴染めてないかも、とは思ってたけどここまでとは…。それさ、馴染めてないんじゃなくていじめられてない??」

「んー、別に何かされたわけじゃないし」

「でも…」

「先生、気にしすぎ!!!」

「あ、また先生って呼んだ!!!」

「先生がしつこいからお返しですぅーだ!!!」


そう言って大和君のほっぺをむにっと掴んだ。


「い、いひゃいよー、りんひゃん…このっ!!!お返し!!!」

「はわっ、な、なんでよー」


二人でクスクスと笑うと
あぁ、幸せだなってひしひしと感じるんだ。


「りんちゃんがあんまり気にしてないなら僕も気にしないようにするけど、辛くなったらすぐに言うんだよ。絶対だよ」

「わかった、約束ね」


二人で小指を絡ませる。
私より一回り大きい手…ちょっとドキドキするけど暖かくて安心できる。

これで、明日からまた、頑張れる。

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