小さな村の大きな話



それからはあっという間で、やたらいじられる大和くんを見て私と深山くんでたくさん笑った。

時間はあっという間に過ぎて私と深山くんは気が付いたら眠っていた。



「んっ……。
私、寝ちゃってたんだ…」



扉を開けようとしたら二人の声が聞こえてきた。



「華さんとは連絡取ってるの??」


「取ってないよ」


「ふーん、向こうは??なんて??」


「あなたのことは嫌いじゃないけど親同士の決めた事に従うのは癪だから嫌だ、ってさ」


「りんさんには伝えてあるの??」


「言えるわけないでしょ」



……っ!!!
私に言えない人……??
華さんって、女の人だよね…??



「あの人達にりんさんの事は??」


「親父もお袋も認めるわけないよ」


「だろうね。あの子高校生でしょ??」


「うん」


「だいぶ若いよね……。
でも、若いけど…あの子はこれから先生になるって感じじゃない」 


「そう、だね…」


「それにあの子、病気だよね」


「えっ…」


「隠してるつもりだったの??
体格、動き、食事、飲み物。どれを見ても健康な人のそれじゃない」


「……よく、見てるね」


「まぁね。
あの子さ、子供産めるの??」


「……」



無言の肯定。ショックだった。
たしかに大和くんとこんな話はしたことなかったし、自分でも薄々気づいてた。
でもこれが結婚やお付き合いの障害になることを分かってなかった…。




「だろうね。
じゃぁ、どう頑張っても親父とお袋は賛成しないね」


「僕はそんな事どうでもいい。
人生を共に歩む人はりんちゃんしかいない。そう思ってる」


「ま、大和ももう子供じゃない。
俺は大和の好きにするべきだと思うし、その点に関しては応援する」



二人も眠って、私は一人ずっと考えた。
自分と大和くんのこれからについて―――

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