小さな村の大きな話



「「いただきます」」


「んーっ、美味しい!!」


「良かったー」


「お出汁が効いてて」


「しっかりお出汁が効いてると薄味でも食べやすいでしょ??」


「うん、本当に美味しい。
りんちゃんってさ、お料理上手だよね」


「私、小さい頃から心臓悪くて…お塩とかお砂糖とか制限されること多かったんだよね」


「そうだね、塩や砂糖やカフェインなんかも…」


「そう、だからママがすっごく工夫してくれて…お料理もたくさん教えてくれたの」



少しだけりんちゃんが寂しそうな顔をする。



「こっち来てから全然お母さんに連絡してないよね??」


「うん…忙しいと思うし……」


「子供から連絡貰って嫌がる親なんていないよ!!送るだけ送ってみれば??」


「うーん……でも、ほら、伝えなきゃいけない用事もないし、ね??」



こうやっていつも僕が押し負けちゃう。
精神衛生上にも良くはないだろうから連絡はして欲しいけど…
きっと、長いこと連絡してないから連絡しにくいんだろう。



「ごちそうさま、私、先寝るね??」

「うん、おやすみ」



こういう話になると僕達の間にも少しの間壁ができる。
だから、あれ以上僕は何も言えない…。
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