小さな村の大きな話

ということで!!翌日!!
やってきました、ショッピングモール!!!



「りんに誘われるって珍しいよね」


「えっとね……実は、友達とお出かけするの、夢だったの」


「前の学校でも友達いなかったの??」


「…うん」


「りん、あたし以外の人といるとき暗いもんね」


「暗いって…」


「弁解できるなら、どうぞ??」



ふふっ、といたずらっぽく樹ちゃんが笑う。
今更だけど、樹ちゃんはすっごい美人だ。
微笑まれると女の私でも…ちょっと、ドキッとする。



「ひどいよー、樹ちゃん!!」


「さて。モールついたけど、なにか見たいものは??」


「うーん…洋服とか??」


「言っておくけど、おしゃれなものなんて売ってないからね??」


「え??」


「食品以外のものはここで買えるけど、生活する為に必要なものばっかだから可愛い服とか便利グッズみたいのは村から出ないと」


「…この村で唯一遊べるところって聞いたんだけど…」


「まぁ、アイスとかクレープとか食べれるしね。
カラオケもあるけど、あたし、カラオケはちょっと…行きたくない」



この表情、見た事ある。
大和くんが近くにいるときの顔だ。
やっぱり樹ちゃんは、謎の多い人物だ。



「……覗くだけ覗いてみる??」


「うん、そうする!!」



洋服屋さんを覗いてみたけど…思った以上に…



「何もない……」


「だから言ったじゃん。
あたしたちくらいの年代の子たちは村の外で洋服買うんだよ。
あとは、通販とか」


「うーん…どうしよう…」


「………ねぇ、ちょっと歩くんだけど…私のおすすめ、行ってみない??」


「…おすすめ??」
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