小さな村の大きな話
「ただいま」
って電気消えてる…大和くん残業かな??
ルンルン気分で靴を脱ぎリビングまで行き電気をつける。
「うわぁぁぁあああ!!!」
真っ暗の中、大和くんがバツが悪そうに下を向いて座ってた
なんか、挙動不審だ。
「や、大和くん!?!?どうしたの??」
「あ、りんちゃん…おかえり。
遊びに行ってたんだよね……。どうだった??」
「あ、うん。楽しかったよ??
今度大和くんも一緒に行こう!!」
「うん、そうだね」
大和くんは…なんか、泣きそうになりながら微笑んだ。
「ねぇ、どうしたの??」
……
………
…………
バツが悪そうに下を向いてる。
「………えっと…出張、することになっちゃった…」
「なんだ…そんな事か……いつ??」
「そんな事って……。
3日後から、1ヶ月…」
「えっ!!1ヶ月!?!?」
「あ、もちろん僕がいない間の検診とか何かあったときの事とか同僚に頼んであるし、生活面で困れば長谷さんが助けてくれるし!!」
「うん、そこは大丈夫なんだけど…その…」
「ん??」
「1ヶ月も離れるの、初めてだから…寂しくて」
「っ!!」
思いっきりぎゅうっと抱きしめられた。
突然っ!!
待って、心の準備がっ!!
「はわわっ!!大和くんっ!!どうしたのっ!?!?!?」
「りんちゃんが可愛すぎるのがいけないのっ!!」
またそういう恥ずかしい事をサラッという!!!
こっちの身が持たないよ!!!
「…て、ぃぃ??」
もじもじと下を向いて何か言ってる…。
「ん??今なんて――
「キス!!しても!!い…ぃ…デスカ…??」
「なっ!!!」
そんなの…そんなのっ…
「…彼氏なんだから、いちいち許可取らないでよ……」
小さくつぶやくと遠慮がちに頬に手が添えられて唇が私の唇にそっと触れた。
「…今日はこの辺りにしとく。
無理、させられないしね。
あんまり僕のこと、煽らないでね??」
私も大和くんもえらく真っ赤になっていたに違いない。