小さな村の大きな話
黎華を連れて保健室まで歩く。
さっきからずっと、何か言いたげな顔してるな…。
「……ごめんなさい」
「何が??」
「色々」
はぁー、と深めのため息をつくと歩きながらもしっかりと黎華の目を見た。
「謝る相手が違うでしょうが」
「…うん」
「気持ちはなんとなく分かるけどね。
私からは、やり過ぎないようにね。しか言えない」
「私が、間違ってるって…わかっ、てる」
「知ってるよ。
気持ちの持って行き方がわからないんでしょ??
あんたは間違ってるけど悪くはないよ。
悪いのは黎華でも樹でもない。周りの大人たちだ」
「ねぇ、奈穂……。
奈穂ならどうする??私は、これからっ、どうすれば…いい??」
「とりあえずさ、泣き止みなよ。
それから一緒に考えよう??」