小さな村の大きな話
「…おかえり」
「………」
バンッ!!!
「……なんだ??」
壊れそうなくらい乱暴に閉められた樹ちゃんの部屋の扉…。
錦さん……そっとしておいてあげて下さい。
樹ちゃんは超絶不機嫌です。
「……なんかあったのか??」
「咲座さんと…ちょっと……」
「黎華と??あいつら喧嘩なんてできるほど仲良くないだろう」
錦さんはパソコンから顔を上げずに話している。
「前は仲良かったんですよね??」
「さぁな。もともとは家同士の付き合いだし、ふたりは仲良くしてないと村人が気にする。
子供なりに気を使ってたのかもしれないし。
本当に仲が良かったかもしれない」
「あの5年で変わったのは樹ちゃんだけじゃないって…咲座さんが……」
「なら、後者の方だな」
「ま、触らぬ神に祟りなしって言うからな。
関わらないほうが身のためだぞ」
……なるほど、すごい説得力
「そういえばりん。体調は??」
ギクッ!!!
はい、黙っていましたが実は結構だるいです。
「は、ははっ!!だだだ、大丈夫ですよ~」
「…は??」
そんなライオンみたいな目で見ないでー!!
怖い、怖いよ!!
「はい、熱測ってきます」
「最初から素直にそうしろ」