小さな村の大きな話
6 樹ちゃんの秘密
「おはよ。樹ちゃん」
「おはよう、りん
……なんか、顔色悪くない??」
「そ、そんなこと無いよ!!」
「……ならいいけど」
じー……。
……めっちゃ見られてる。
「そういえば、もうすぐ夏休みだね…」
「そっか…もうそんな時期なんだね」
そう言って下駄箱を恐る恐る開ける。
「あ、れ??何もない…」
いつもなら嫌がらせの手紙とか、ゴミとか画鋲とか入ってるのに…。
「ほら、何してるの。早く行くよ」
「うんっ!!」
教室に入ると異様な空気が漂っている。
……咲座さんの机の上、落書きだらけ……。
「あの、咲座さ――
「りん、行くよ」
「う、うん…」
見て見ぬふり。
この間までのクラスメイトと同じ…。
「……りん??
ちょっと、大丈夫??顔色悪いよ」
「え??大丈――
バタン
「りん!!」
あれ、床……。
私、倒れた…??
立たなきゃ……。た、立てない……。
「奈穂、先生呼んで!!」
「わかった!!」
「……もしもし、錦??
壱いる??いや、代わらなくていい。
りんが倒れた。これからそっち連れてく。
発作ではなさそうだけど熱が高くて……。
うん、わかった」
電話、してる……。
私、えっと……、、だめ、頭回らないや…。
私はこのまま眠ってしまった…。