あの日の記憶
手紙


今日から学校かぁ。


なんか言われるのかな?


からかわれるのかな?


たくさんの不安を抱えながら今日のドアを開ける。


「お、おはよぅ!」


うわ。声上ずった。


「おはよ〜!」


「元気にしてた??」


ん?みんな普通…?


あれだ。反応が完全にインフルエンザ終わりに学校来た感じだわ


別に気を使わなくてもいいのに。


同情されるのも嫌だけど。


同じクラスの梨乃に聞いてみた。


「なんでお父さんのこと皆何も聞かないの?」


すると、意外な答えが返ってきた。


「あ〜。それは、あやの事を不思議に思って先生に聞いたら先生が泣かきながらあやのお父さんの事話してたから。」


えっ?先生が…?


「それで、山中さんにはあまりその事は話さないようにって。」


先生、優しすぎる…!


「そーなんだ!梨乃、ありがとう。」


それだけを言うと、自分の席に着く。


チャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。


先生は入ってくるなり私の方を見てニッコリと笑ってくれた。


休み時間になり、私は梨乃と喋ろうと席を立つと、


「山中さん。少し来てください」



と、呼び出しをくらった。


言われるがまま職員室まで来ると、先生から白い封筒に入った一通の手紙をもらった。


家に帰り、手紙を開けるとこう書かれていた。


『お父さんのこと…ただただ驚くばかりです。


突然のことで、家族のみんながどんなにかつらい思いをしていることでしょう。


先生も実は、七年前に父を亡くしました。


その時の悲しさや、さみしさは何とも言えないものでした。


きっと綾さんも今同じ気持ちだと思います。


悲しい時は思いきり泣いて、そしてまた笑顔で頑張って欲しいとおもいます。


綾さんのお父さんもきっと、そう願っておられると思いますよ。


姿は見えなくても、いつでもお父さんはあなたの側にいて、成長を見守ってくれるはずです。


クラスのみんなも報告を聞いて、綾さんのことを心配していました。


どうかこれからも元気で明るい綾さんでいて下さい。


そして、みんなと一緒に卒業まで素敵な思い出を作っていきましょうね。』


あ、先生もお父さんを…。


先生と一緒だったんだなぁ。


ちょっと、元気でた。


がんばろう。


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