あの日の記憶
本当の別れ2



棺に花を入れた後。


火葬するために火葬場までタクシーで行った。


その時には涙は止んでいた。


火葬場に着くと少しのお経を聞いた。


その後…


―お父さんは骨になった。


骨になり、小さな箱の中に入れられたお父さんを見て私は悲しくなった。


小さい頃に抱っこしてくれたお父さんはもう居ない。


私がお母さんに怒られたとき、なぐさめてくれたお父さんはもう居ない。


――お父さんはもう居ない――


「お父さぁぁんっ…!」


私は泣いた。


子供みたいな大きな声で。


それを見た


お母さん。


祐希。


おばあちゃん。


おじいちゃん。


みんな、泣いてた。


その時、お父さんが死んじゃったことが改めてめて実感できた。


その夜はぐっすり眠れた。

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