癒し恋~優しく包まれて~
「入江さんが聞いてきたんですよ?」

「うん、確かに俺が聞いた。俺のこと好きになっているんじゃないかなと自惚れていたから、決定的な言葉が欲しかった。だけど、本当に言ってくれるとはね。うん、ありがとう」

「いえ、あの……食べましょうか!」


なんだかくすぐったいような思いが込み上げてきて、これ以上見つめあっていられず、デザートを食べようと提案した。

気になっていることだけを聞くはずだったのに、まさか自分の気持ちを自覚させられ、さらに告白までしてしまうとは思いもよらなかった。

長い間、一途に一人の人を想ってきたから、こんなにすぐ他の人を好きになれるとは自分自身でも驚きだ。

きっと、夕美も瑠美も報告したらビックリするに違いない。


「ちょっと電話してくるから待ってて」


先に食べ終わった入江さんは、スマホを持ってレストランの外へと出ていった。

これからどうするのだろう。

好きだと気持ちを伝えた。彼も私が好き。

だから、付き合うことになるのかな?

始まり方がよく分からない。


「柊花、お待たせ。食べ終わったなら出ようか」

「はい」
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