癒し恋~優しく包まれて~
「何でここに?」
タクシーを降りてからも手を繋がれてホテルのエレベーターに乗る。
入江さんの押したボタンは31。進士さんのいるバーがある階だ。ここには行かないと言ってたはず。
「さっき電話したら、席が空いていると言われたから」
「そうなんですか……」
わざわざ電話までして確認する必要があったのかと首を傾げたくなる。私がここに来るのは三回目だけど……今まで予約していたのかな?
予約しているようには見えなかったけど……忘れていたもうひとつの不安が浮かび上がってくる。
エリカさんがいるかもしれないからとここに来ることを懸念していた。席が空いているかではなく、エリカさんがいるかどうかを確認したのではないだろうか。
「いらっしゃい。なんだよ、手なんか繋いじゃって」
「ん? いいだろ?」
私たちを出迎えてくれた進士さんは二人の手を見て、呆れたような顔をする。
それに対して入江さんは自慢げに返す。
「ふうん。三上ちゃん、本当にコイツでいいの?」
「おい、また勝手なことを言うなよ。柊花、進士の話はまともに聞かなくていいからな」
タクシーを降りてからも手を繋がれてホテルのエレベーターに乗る。
入江さんの押したボタンは31。進士さんのいるバーがある階だ。ここには行かないと言ってたはず。
「さっき電話したら、席が空いていると言われたから」
「そうなんですか……」
わざわざ電話までして確認する必要があったのかと首を傾げたくなる。私がここに来るのは三回目だけど……今まで予約していたのかな?
予約しているようには見えなかったけど……忘れていたもうひとつの不安が浮かび上がってくる。
エリカさんがいるかもしれないからとここに来ることを懸念していた。席が空いているかではなく、エリカさんがいるかどうかを確認したのではないだろうか。
「いらっしゃい。なんだよ、手なんか繋いじゃって」
「ん? いいだろ?」
私たちを出迎えてくれた進士さんは二人の手を見て、呆れたような顔をする。
それに対して入江さんは自慢げに返す。
「ふうん。三上ちゃん、本当にコイツでいいの?」
「おい、また勝手なことを言うなよ。柊花、進士の話はまともに聞かなくていいからな」