癒し恋~優しく包まれて~
そうか、言われてみれば会社の外でも『入江さん』では堅苦しい感じがする。

でも、だからといっていきなり俊也?


「俊也さんでいいですか?」

「うーん。呼び捨てでもいいんだけど……まあ、苗字でなければなんでもいいよ。としちゃんでも」


さすがに『としちゃん』はないので、『俊也さん』と呼ばせてもらうことにした。


「で、なにか言いかけていたよね? 途中で遮ってごめん」

「いえ。あの、私たちはこれからお付き合いするんですよね?」


当たり前だと言われてしまうかもだけど、ちゃんと確認しておかないといけない。

曖昧なままでは先に進めない。


「もちろんだよ。やっぱり柊花は真面目だね。俺の彼女になってください」

「はい、お願いします」


俊也さんの彼女。

誰かの彼女になるのは初めてだけど、それが俊也さんで良かったと心から思う。

以前、瑠美に言われたことがある。

「愛するよりも愛される方が幸せなのよ。だから、好きだと言ってくれる人と付き合った方が幸せになれる」と。
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