癒し恋~優しく包まれて~
進士さんから「次は何にする?」と聞かれたけど、丁重に断った。流されてどんどん飲んでいると大変なことになると学習したから。

同じミスはしないように……明日は休みだからのんびり寝ていても大丈夫だけど、また俊也さんに迷惑をかけてはいけない。


「柊花、明日なんだけど」

「はい?」

「デートしたいところなんだけど、中学のときの友だちの結婚式が札幌であって、朝から出なくてはならなくてね。で、泊まりだから帰りは日曜の夕方になるんだ」

「そうなんですね。気を付けて行ってきてください」


俊也さんは親の仕事の都合で中学時代を札幌で過ごし、高校からは東京に住んでいると前に聞いたことがある。

札幌、いいな。

寒そうだけど、食べ物も美味しそう。


「なんかあっさりで寂しいな」

「はい?」

「月曜日まで会えないんだよ。分かってる? 会えなくて寂しいとかないの?」

「えっ、あー、まあ、寂しいですよ。でも、お友だちのためだから、仕方ないじゃないですか?」


返す言葉を間違えた?
< 109 / 213 >

この作品をシェア

pagetop