癒し恋~優しく包まれて~
でも、前から決まっていた予定に寂しいとか文句は言えない。月曜日まで顔が見れないのはもちろん寂しいけど、身勝手なわがままも言えない。

今日は食事も出来たし、ここにも来れた。

そして、何よりも交際スタートという輝く記念日となったことで満足だから、数日会えないくらい我慢できる。

俊也さんは小さく息を吐いて、カクテルに口をつけた。


「そのクールなところは会社で見る柊花だけどさ、俺には甘えてもいいんだよ?」

「えっ? そう……ですね」

「うん、遠慮とかしないでよ。柊花が望むことは何でもしてあげるよ」


何でもしてあげるとは最高級のセリフかも。そんなことを言われたのは初めてで舞い上がってとんでもない要求まで考えてしまいそう。

でも、出来ることと出来ないことがあるはず。


「じゃあ、もし私が寂しい、会えないのは嫌だと言ったらどうするんですか?」


そんなふうに困らせるようなことを言ったとしてもどうにもならないと理解出来る。

「やっぱり我慢して」と言われるくらいなら無理なこともあると冷静に受け止めておいた方がいい。
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