癒し恋~優しく包まれて~
瑠美には俊也さんと結ばれた翌日に会って、報告した。かなり驚いていたけど、そのときも自分のことのように「良かった!」と喜んでくれた。


「俺としてもさ、長年瑠美と同じように妹として見てきた柊花が幸せになれたことが嬉しくて、直接お祝いを言いたくなったんだよね」

「それで話したいことがあるって言ってきたの?」


カズさんは「そうそう」と笑いながら、ナイフとフォークを持った。

なんの話だろうと身構えてしまって、今日は朝から緊張していた。カズさんは本当に昔から私のことを妹みたいに見ていたんだと思うと、取り越し苦労だったなと肩の力が抜ける。

本気で好きだったけど、この人は妹以上の存在として私を見ることは絶対になかったんだ。

それでも、長い間カズさんを好きでいられて良かったと思う。


「柊花はさ、昔一度告白してくれたじゃない? あのときは本当に嬉しかったよ。そのあとも柊花はずっと俺のことを好きでいると瑠美が言ってたけど、応えてあげられなかったのが、俺としても苦しかった。だったら、思いっきり突き放せばよかったんだけど、出来なかったんだよね」

「なんで?」
< 186 / 213 >

この作品をシェア

pagetop