癒し恋~優しく包まれて~
「カズさん、カズさんと慕ってくれる柊花がかわいかったからかな。俺のわがままなんだけど、妹のようにずっと近くにいて欲しいと思っていたんだ」


カズさんの言葉一つ一つは嬉しいものだった。一人の女として特別には見てくれなかったけど、別の意味で特別に思ってくれていた。

その気持ちを聞けただけで、長年の思いが報われた気がする。俊也さんに恋したことで前向きになった気持ちが、さらに前向きになる。

ここからは何の迷いもなく、俊也さんと歩いていける。


「今日は会ってくれてありがとう」

「ううん、私こそありがとう。話が出来て良かった」

「実はさ、二人で会うのは気分がよくないと彼女から言われたんだ。柊花の彼氏もそうだと思う。だから、これからは二人だけで会うことはしない方がいいと思う。俺は彼女を大切にするし、柊花も彼氏を大切にしなよ」

「うん。カズさん、彼女と幸せになってね」


あの日言えなかった言葉を今は言える。心から幸せを願うことが出来る。


「柊花もさ、いつか彼氏を紹介してよ」

「うん。あ、じゃあ、今紹介していい?」

「えっ、今?」
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