癒し恋~優しく包まれて~
私たちの会話が聞こえていたのか俊也さんが振り向いて、立ち上がった。私も立ち上がって、彼の隣に並ぶ。

カズさんはぽかんと口を開けて私たちを見ていた。


「カズさん、紹介するね。こちらが付き合っている入江俊也さん。同じ会社の人なの」

「初めまして、突然ですみません」

「あ、いや、いいえ! あ、俺、成川和斗(なりかわかずと)といいます。初めまして!」


我に返った様子のカズさんは落ち着きなく立ち上がって、頭を下げた。


「そうか、うん。二人、お似合いですね! 柊花、本当に良かったな。俺が言うことではないかもしれないんですけど、柊花を幸せにしてあげてください。お願いします」


カズさんは深々と頭を下げた。まるで娘を嫁に出す父親みたいで、その姿に胸がじーんと熱くなる。


「もちろん幸せにすると誓います」


俊也さんは私の肩を抱いて、力強く真っ直ぐにカズさんへ誓った。涙が出そうなくらい嬉しかった。


カズさんと別れたあと、私たちは上の階にあるパーに行く。
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