癒し恋~優しく包まれて~
それに、大事なのは過去ではなくて、今であって未来である。

その未来を俊也さんと共に笑いながら歩いていけたらいいなと思う。この先、何が起こるかどうなるかはもちろん分からない。

だけど、お互いに思いあっていけば、幸せな未来に繋がるんじゃないかな。


「俊也さんしか知らない私もあるよ」

「ああ、そうだな。ベッドの上での柊花は俺しか知らないよな。あの声だって、俺だけが知っているしな」

「あの声とか言わないで。恥ずかしいから、もう!」


私は口を尖らせた。


「そういう顔もかわいいから、俺以外に見せるなよ」

「こんな変な顔、かわいいわけ……ないじゃない」


まだ尖らせて不満を言う口を俊也さんが人指し指でつつくから、言葉が一瞬途切れてしまった。遊ばれている気がする。


「柊花がどんな顔してもかわいいし、俺はどんな柊花でも好きだよ」

「もう……」


甘い言葉に目を逸らして、夜景を見た。


「こっち向けよ」

「んっ!」


後頭部を掴まれ、強引に顔を向きを変えられてキスをされる。
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