癒し恋~優しく包まれて~
「ほんとかわいいな。もう少ししたらいっぱいかわいがってあげるから、少し我慢してね」

「うん、我慢する」


早く着かないかな。

早くかわいがってもらいたいな。

運転手さん、もっとスピードをあげて……。


俊也さんの部屋に入るなり、私は後ろからしがみつくように抱きついた。


「柊花? 今暖房入れるから待ってて」

「それよりも」

「なに?」

「キスして」


俊也さんは「クスッ」と笑って、体を私の方に向けた。


「少しも我慢できないの?」

「うん」


なんですぐにしてくれないのかと私から唇を近付けたけど、俊也さんも近付いてきていて、重なる。

進士さんのバーで出来なかった深いキスを楽しむ。進士さんが言ってくれたように楽しい夜にしたいな。

あれは嫌味だったかもしれないけど。

二人だけしかいない、誰も見てない、誰も止めないと思うと私は大胆になった。

酔っているから、自制が効かないんだと心の中で言い訳をしながら、俊也さんを欲しがった。
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