癒し恋~優しく包まれて~
「明けましておめでとうございます!」

「あら。明けましておめでとうございます。どうぞ、お入りください。主人も待っていますので」

「はい、ありがとうございます」


俊也さんは表情を引き締めて、開けられた玄関に足を入れる。


「あなた、柊花ちゃんたち来たわよ」


義母が大きな声でリビングに向かって呼び掛けると、父よりも先に反応したのは弟で、二階から「姉ちゃん来たの?」とドタドタと降りてきた。

そして、俊也さんを見るなり、なぜか拍手。そんなに歓迎しなくてもよさそうだけど。


「わあ、イケメンだ。姉ちゃんがこんないい男、連れてくるなんて、すげー! 奇跡ー!」


しかし、弟よ……もう午後だというのになんでまだパジャマ姿なの?

頭もボサボサだし。そんな姿で出迎えるなんて、恥じらいはないの?


「ゆう、着替えなさいよ」

「ああ、そうだった。すぐ着替えてくるから帰らないでよ」

「まだ帰らないから、ちゃんと顔も洗ってきてよ」


慌ただしく部屋に戻っていく弟に苦笑してリビングへ行く。
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