癒し恋~優しく包まれて~
「お父さん、ただいま」

「ああ、お帰り」

「明けましておめでとうございます。初めまして、柊花さんとお付き合いさせていただいています入江俊也と申します。本日はお休みのところ、お時間を作っていただきまして、ありがとうございます」


俊也さんは父に向かって丁寧に挨拶をし、深々と頭を下げた。すらすらと立派に挨拶をする彼は惚れ直してしまいそうなくらいかっこいい。

キリッとした顔もよい。


「いや、こちらこそ来てくれてありがとうございます。どうぞお座りください。柊花も座って」


父に促されて向かい側のソファに並んで座った。


「コーヒーで大丈夫かしら?」

「あ、はい。すみません」


キッチンから声掛してきた義母に私が答える。義母との会話はいつもよそよそしなる。もっとも、会話らしい会話はしたことがない。

どうしても話さなければいけない用事でしか話したことがない。私たちには大きな溝が出来ている。

俊也さんはいつか歩み寄れたらいいと言ってくれたけど、そんな日が来るとは思えない。


「俺、持っていくよ」
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