癒し恋~優しく包まれて~
「柊花ちゃん、良かったら、お夕飯食べていかない?」

「ごめんなさい、このあと初詣に行く予定になっているの」


嘘ではない。最初からこのあと、近くの神社に行く予定にしている。だけど、避けているように聞こえてしまう返事だったかなと心が痛む。

前から義母がこちらに歩み寄ろうとしていたのは感じていたけど、私が頑なに拒否していたから、溝が出来たのかもしれない。

溝を埋めるには、私からいかなくてはいけないのだろうけど、なかなか難しくて出来ない。



「お邪魔しました。今日はありがとうございました」

「こちらこそ、息子の勉強まで見てくれてありがとう」

「ゆうくん、受験頑張ってね」

「はい、ありがとうございます!」


弟は俊也さんの激励にどんな自信があるのか分からないけど、ピースサインをして見せた。

前に関西の大学を志望していると言っていたけど、いつのまにか家から通える大学に変更していた。彼は私より義母に歩み寄っているようだ。


「柊花ちゃん、これ持って帰ってね。フルーツケーキが入っているから」
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