癒し恋~優しく包まれて~
入江さんに睨まれた進士さんは、「はいはい」と作ったカクテルを窓際のテーブル席へと持っていく。

そんな進士さんの動きを私と入江さんは追ってから、目を合わせた。入江さんの表情は私を見た途端に柔らかくなる。

ずっと目を合わせることが恥ずかしくなり、逸らしてカクテルを飲んだ。


「今日は飲みすぎないでね」

「大丈夫です。自分でちゃんとセーブしますから」


キッパリ飲みすぎないと宣言したけど、入江さんと進士さんと楽しく話しているうちに飲むペースがいつの間にか早くなっていた。

進士さんが3分の1くらいになると「次何飲む?」と声を掛けてくるので、ついオーダーしてしまったのも失敗の元だった。

二度と酔い潰れて記憶をなくさないようにと気をつけていたはずなのに……


「三上さん、もうそのくらいにして帰ろう」

「そうですね、帰りましょう。あ……あれ、足が……」


立ち上がった瞬間、酔いが一気に回り、うまく立てなく入江さんに支えてもらったけど……そこから私の記憶はなくなった。
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