癒し恋~優しく包まれて~
岩田くんが来るまでに会議室のテーブルを数えて、レイアウト図と照らし合わせる。

二つ足りないから隣の会議室から借りて来なくては……隣の会議室の使用スケジュールを確認するために戻ろうと廊下に出ると、ちょうど前から岩田くんが歩いてきた。


「三上さん、どこ行くの?」

「テーブルが足りないから、そっちの会議室を使うかどうか確認してこようかなと思ってね」

「ああ、それなら大丈夫だよ。そっちは使わないから足りない分は移動させていいって入江さんに言われた」


入江さんの指示はいつも先回りしているから本当に助かるんだよねと岩田くんが感心しながら、隣の会議室を開ける。

私は使用する会議室のドアを固定してから、岩田くんの後を追った。


「ここのを二つ持っていこう」


ドアの近くにあるテーブルを二人で移動させて、レイアウト図通りに並べていく。


「こんな感じかな……あ、そこ曲がってる」


「お疲れー」


「入江さん! お疲れさまです」


チェックしていると入江さんが入ってきた。
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