癒し恋~優しく包まれて~
先に名乗って頭を下げる。この前解決したモヤモヤがまた出てきた。

本当に大学時代の友だちなんだろうか? まさかその場しのぎの嘘だったとか?


「プロジェクター、持ってきましたー! あれ? 神原さんじゃないですか!」


下げた頭を上げたときにプロジェクターを抱えた岩田くんか戻ってきた。岩田くんは神原さんを知っているようで、神原さんも「どうも」とにこやかに返している。


「そうだ、この四人で食べに行かない? 」

「あー、ランチですか? いいですね!」


神原さんの提案に岩田くんはすぐ同意した。入江さんは小さくため息を付いたけど、行かないとは言わないから行く方向になるようだ。

で、私は断る理由が見つからなく行くしかない。萌絵さんと約束しているからと断ることも出来たのだけれど、萌絵さんには同期と食べる予定があるからと昨日のうちに言われていた。

だから、予定は何もない。

気の乗らないランチだけど、並んで前を歩く入江さんと神原さんに付いていく。

二人が何を話しているのか気になったが、岩田くんからプロジェクターを営業部まで取りに行った話を聞かされていて聞き取れなかった。
< 80 / 213 >

この作品をシェア

pagetop