癒し恋~優しく包まれて~
「本当にそれだけですか? 付き合っていたとか?」


今度質問したのは私。またもや入江さんが目を丸くする。私から質問されると思っていなかったのだろう。

岩田くんも同じように思っていたらしく、うんうんと頷く。見るからに友だちというだけの関係とは思えない。今は友だちなのかもしれないけれど。


「ふふ、女の子はやっぱり鋭いわね。そうよ、前に付き合っていたわ。で、今復活を迫っているところ」

「えっ、迫っている? 神原さんが? それで入江さんはなんと?」

「ふふ、岩田くん。それは内緒に決まってるでしょ? ほら、食べましょう」


料理が運ばれてきたので、話はここで中断。昼休みの短い時間に話す内容にしては濃すぎる。

でも、内緒って何が内緒?

付き合っていたことは内緒だった?

過去のことだから、内緒にした?

聞かされて良い気持ちにはならないけど、私が聞いたときにちゃんと教えて欲しかった。

それで過去のことだから、今は何も想っていないから心配しなくていいと言って欲しかった。
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