癒し恋～優しく包まれて～
いつもの通りに出社して、いつもの通りに業務を進めていき、昼休み。だけど、心の中は家を出たときからずっとそわそわしていた。

こういうそわそわ感は久しぶりだ。カズさんと初めて二人だけで食事をする約束をしたときみたいな感じ。

今日はコンビニでおでんを買ってきて、ミーティングテーブルで萌絵さんと食べる。


「今日は帰りにどこか行くの？」

「はい。食事の約束をしています」

「金曜日だものね！ 私も同じ」


萌絵さんの質問は、いつもと違う服装からだ。萌絵さんも今日は小花柄のスモーキーピンク色のワンピースに紺色のカーディガンといったいつもより甘めの服装だった。

ふんわりとした服装は萌絵さんによく似合っている。


「デートですか？」

「あたり。柊花ちゃんも？」

「いえ、私は食事をするだけで、デートというものではないです」


多分デートと呼べるものではない。ただ食事をするだけ。

萌絵さんみたいにちゃんとお付き合いしている人となら食事をするだけでもデートだといえるだろう。だけど、私と入江さんの関係は違う。
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