Pyua love ~そして真実~
プロローグ
目の前には湖があり、その向こうには高くそびえる山が見える。

そして、後ろには森が続く。

(ここは何処?)

まだ幼い少女は、状況が理解出来ない。

少女は、母親といつも来る公園に来ていた。

お弁当を食べて、のんびりとした昼下がりのひと時。

ピンクのワンピース姿、少女の腕には玩具のブレスレットがつけられている。

先日、家族でいったファミレスで、頼んだお子様セットについてきたおまけだったが、少女はそれを気に入り、いつもつけるようになった。

母親がうたた寝しているのを見て、
少女は公園内の冒険に向かう。

冒険と言っても、ほぼ毎日きている公園だ。

少女にとっては、庭のような場所だった。

この公園には、地面から直接吹き上がる噴水があって、夏場には子供たちの人気スポットとなる。

しかし春先のまだ少し寒いこの時期には、人気はなかった。

少女は、一人その噴水に近づく。

地面からは、時間差で水が飛び上がる。

一定のリズムの後には、一斉に水が飛び上がる。

その瞬間が少女は好きだった。

少女はその瞬間に噴水の真ん中にいた。

飛び上がる一部の水が少女に向かって来る。

少女は、しまった!っと思った。

濡れて母親の元に戻れば、きっと叱られるから。

しかし、実際には少女は濡れはしなかった。

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