Pyua love ~そして真実~
久しぶりに訪れた場所

私は、あれからここへ来ることはなかった。

1階のホールには、色とりどりのイルミネーションと、大きなツリーが立っている。


大勢の人たちが、ツリーの前に立ち止まって、写真を撮っている。

約束の時刻までもう少し。

本当に会えるのだろうか。


私がツリーを眺めていると。

背後が騒がしい。

「やっぱり、今日も現れたって!」

「本当に?目撃情報は間違って無いんだね!!」


誰が現れたんだろう?

このような場所だから、有名人が居たとしてもおかしくはない。


「え?シモンドの社長?」

「あぁ 最近毎日いるらしいぞ?」

「誰かを待ってるんだっけ?」

「っていう噂だけど、なかなか実物を拝める事ないから、チラッとどんな奴か見てみないか?」


サラリーマンの男性がそう言って通り過ぎていく。

坂上君が、待ってる。

そして、一箇所に人々がどんどん集まっていく。

あの中に、坂上君がいるの?

まるで場違いな所に来てしまったような感覚。

そうだ、私と坂上君はこんなにも生きている世界が違うんだ。


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