Pyua love ~そして真実~
初めて目の当たりにした力に、私は少し怖くなる。


今この繋いでいるこの手を放して、帰ろうか。


そんな考えも一瞬よぎったけれど、今またこの手を離してしまったら、二度と坂上君とは、会えないだろう。



そんなのは嫌だ。



こうして私は、二度目の訪問をすることになる、51階へと連れられきてしまった。


以前と変わらない、広い玄関に大理石の廊下の先には広いリビングがあった。

坂上君は、私をソファへと案内する。


「おかえりなさいませ。先ほど力をお使いになりましたね?・・・って・・・

トーヤ様?その方は、もしかして・・・」


そこには、もう一人男性がいた。

彼は私を見ると、紅茶を淹れ、何かを察したように深く一礼しリビングから出ていった。


「今のは?」
「うん。僕の親愛なる友人さ。さぁ、座って」


私は、勧められたソファに座った。

坂上君も私の向かいに座ると、私に紅茶を勧める。

でも、私はその紅茶に手を出すことはなく、坂上君の言葉を待った。


「ごめん。突然、力を使ったから驚かせてしまったよね」

「うん・・・」

「こっちでは力を使わないって決めているのに・・・つい・・・」

そういうと、坂上君は耳についているピアスを外す。

「これは、やっぱり自分で持っていてはダメだね・・・。」

小さなピアスがテーブルのうえに置かれた。

「外山さん。

ずっと、連絡が出来なくてごめん。」

「ううん・・・きっと、自分の世界に帰ったから。

こっちの世界なんて、忘れてしまったんだと思ってた。

もう、二度と会えないのだと思っていたわ」

「うん・・・そうだよね」

「何故・・・坂上君は戻ってきたの?」

違う・・・これじゃあ、会いたくなかったように聞こえてしまう!
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